今年はついに晴れました。
ナイトウォーク2018、選手たちは35kmコースを夜から朝にかけて歩きました。
新入団選手は初めてのAFC茅ヶ崎の選手としての活動、いきなりサッカーではないというところがAFCらしさ。さて、今頃は夢の中でも歩いているのでしょうか?笑
この活動のそもそもの目的は「我慢と気づき」
そこに「チームワーク」やAFCの指針となっている「StaySmart StayFoolish」であることを加えて臨みました。
夜間に35kmもの道のりを、しかも普段は自転車や車で通っているような道を歩くということは非常に大変なことです。
はっきり言って「馬鹿げた」行為とすら言っても過言ではありません。
最初はみんな楽しいです。興奮しています。
それは当たり前です。みんなで一緒に歩くのですからワクワクします。
どんな話をしようかな、おやつはいつ食べようかな、などなど。
ポジティブなイメージだけが先行します。
そして、お約束ですが、時間の経過とともにどんどん心身に疲労が蓄積され、きつい状態になってきます。
眠い、疲れた、足が痛い、話すことすら面倒、、、、、
なんでこんなことをやっているんだろう?
もう帰ってシャワーを浴びて布団に入りたい!
みんな頭の片隅でそんなことを考える時間に突入します。
ここからがナイトウォークのスタートです。
この状態になるまではウォーミングアップ。
「やる」と決めた以上は「やり切ること」が非常に大事。
始まってしまったら終わりを迎えるまでは我慢して戦い続けるしかありません。
そう、サッカーの試合と同じです。
自分のペースで歩きたい、休みたいタイミングは山ほどあります。
でも、自分だけ休んでしまったら?
きっと失点します。きっとゴールが遠のきます。
チームスポーツであるサッカーは、チームとして機能することが非常に大事。
そのためにも呼吸を合わせること、我慢することは欠かせません。
忍耐強く、一歩ずつ前進しゴールを目指し続けることは勝利を掴む上で重要な姿勢です。
そして、「やる」以上はネガティブな状態で時間を過ごすことは、ナンセンス。
ネガティブな時間帯、試合中もそんな状況は多々あります。特にAFCでは。
苦しく、辛い、しんどい状況をいかにしてポジティブに過ごせるか?
「どうせやるなら楽しんでしまえ」とアホになってしまう割り切り・開き直りも肝心です。
今回は一緒に歩かずに、リスク管理者として車で追いかける役となった僕も、身体的にはキツくなかったですが、常に待つ、それを寝ずに10時間以上続けることは、なかなか大変でした。(選手のそれと比べたら大したことはありませんが)
待っている最中、身体も鈍ってしまうため、車を降りてはジョギングをしたり、スマホで曲を流してラジオ体操をしたり、人目を憚らずに「そんなことはどうでもいい!」と開き直り独りの時間を楽しみました笑(通報されないレベルで)
丑三つ時あたりからが勝負です。
ここで下を向くのか、上を向くのかで「完歩」できるか否かが決まってきます。
死のロード(と勝手に読んでいる)ルートに突入すると、道は暗い、車は人の力では到底かなわないスピードで追い越していく、先が見えない、、、心がやられそうになります。
ここからがAFCのウェアに刻まれている「StaySmart StayFoolish」で在るかどうかが試される時です。
このとてつもなく辛い状況をどれだけアホになって楽しめるか?
繰り返しますが、始まった以上は終わりまでやるしかないのです。
であれば、この非日常をどれだけ楽しく過ごせるかが勝負。
当たり前ですが、前を向いてポジティブに過ごす方が時間と道のりは早く経過します。
普段、起きているはずもない時間を、仲間とともに過ごしているのですから、楽しまない方が勿体無いくらいです。
そう思えるようになると、とてつもなく辛いと思っていた状況がさほどでも無いような感じます。
いや、むしろ楽しいな、と思うことで気が楽になり足取りも軽くなります。
このスイッチが入ると、歌い出したり踊ったり、くだらないゲームが始まったりします。
こうなってしまうと怖いもの無しです。
どんどんゴールへ突き進むのみ!
回復アイテムの「世界一うまいおにぎり」を食せば完璧です。
日頃食べ慣れている母親の味がいかに美味いか、思い知ったことでしょう。
そして気がつけば日が昇ってきます。
ここでポジティブ度がもう1ランクアップします。
日頃、当然のように訪れる朝、この有り難みに気がつきます。
太陽が昇ると景色が明るくなり、気持ちも晴れやかになります。
ますます足取りは軽くなり(痛みはあるけど)、ゴールへと好き進みます。
そして無事にゴールを迎えます。
選手たちからは自然に笑みと達成感・充実感が溢れ出ています。
その瞬間にはきっと、それぞれが一番きつかった時間・自分の姿を思い出したことでしょう。
自身を追い込み、そこを通り越して楽しめた結果です。
このように浮き沈みの激しい約10時間を過ごしたこと、これは彼らがこれからの戦いに臨んでいく上で非常に大きな財産と武器になったはずです。
きっとサッカーの試合中でもこのような流れの浮き沈みは経験します。
しかし、その時に「今は我慢だ」「どうせなら楽しんでしまえ」と思考できる選手たちほど強いものはありません。
さらに当たり前であることの有り難みを学んだ彼らには、当たり前のように存在する試合も大事にできる選手になるでしょう。
サッカーはサッカーのトレーニングでしか上手くなりません。
しかし、サッカー選手はサッカーのトレーニング以外でも育てなければなりません。
AFC茅ヶ崎は、コツコツ一歩ずつ前進していくチームです。
伊藤 大介
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