2019年4月24日水曜日

試合は練習の鏡だ!

近年、恐ろしいほどのスピードと情報量で様々な物事がアップデートされている世の中。
サッカーの指導法やトレーニング法においても、クラブと指導者自身が軸を持たなければ簡単にブレてしまうほどにいろんな情報が入ってきます。

もちろん指導者は学び続けることが大前提でピッチに立ちます。
しかしそのアップデート方法も前に進むだけが全てではないとAFC茅ヶ崎の選手たちをみて思うことがありました。
時には立ち返ることも大事だぞと。

その1つがドリルトレーニングです。
ヨーロッパ人気国のトレーニング法ではいわゆる対面パスなどは効果が薄いと言われているそうです(そんな記事を目にしました)。
そこに書かれている根拠は「なるほど」と頷かされるものでした。
同じドリルトレーニングでも他の考え方があるよ、と。

確かにサッカーはサッカーのトレーニングでしか上達しないと思います。
そこは完全に同意します。

でも!
サッカー"選手"としてのベースを上げなければサッカーは上達しないのではないか???
と、AFC茅ヶ崎の選手たちのトレーニング風景をみて考えさせられました。

「止める・蹴る」ドリルトレーニングを眺めていると、自主的に始めて取り組む姿勢は良いのですが「止め方」「止め場所」も「蹴り方」「蹴り場所」も絶対に"何となく"「そこらへんを狙って」行なっているように映りました。
実際に選手から言葉を引き出すと、やはり「このへんにボールを置いて」「受け手の足元に」「特に考えていませんでした」という答えが返ってきました。

これではサッカー上達云々の話にはなりません。
サッカーを知り、サッカーが上手くなるためのベースがまだまだ低いのです。

具体的には自身のプレー・動作の丁寧さと慎重さです。
絶対にここに「止める」「蹴る」という狙いを持って身体を動かしていないのです。
例えば「次のステップで左右に蹴れる場所に置く」「味方の右足にボールをつける」といったピンポイントな狙いが欠けています。

つまりそれは、自分の動作・プレーに対する「緊張感」も欠けているということです。

試合中に何回ボールを止める・蹴る場面があるでしょうか?
Jリーグの試合トップクラスの選手ですら1試合で100本も蹴らない世界です。
中学生の試合であれば言わずもがな。

一蹴入魂、1試合に数回の止める・蹴る機会をどれだけ大事にできるのか?

試合は練習の鏡です。

練習で何となくいい加減にプレーしていれば、確実にその姿が試合のピッチ上で姿を現します。
逆に練習で1つ1つのプレー・動作を丁寧にできていれば、、、、、
試合は練習の姿をそのまま映し出します。

つまり「丁寧さ」「慎重さ」「緊張感」これらが必要な場の設定になるのであれば、時代錯誤と言われようが対面パスにだって大きな効果があるわけです。
サッカーが上手くなるためのベース(人間力、選手力とでも言いましょうか)を鍛えるためにも面白みのない、地道な、地味な反復練習も時には必要です。

できないことは徹底して意識して、無意識でもできるようになるまでとことんやり抜いていきます。

AFC茅ヶ崎 監督 伊藤 大介

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