東日本大地震の被災地を巡り、現地の中学生と交流するのが目的だ。
毎年夏に「ちがけせんプロジェクト」という茅ヶ崎と気仙沼を繋ぐイベントを行なっているが、今回もそのイベントの一環である。
夏は気仙沼の小中学生が茅ヶ崎・平塚にやってきて、3月はこちらから気仙沼を訪問するのが、恒例となっている。
今回参加した選手と私は初の訪問となった。
震災当時は、幼稚園児だった選手は当時のことをはっきりと覚えていないようだったが、被災地を訪れた際は真剣な表情で見学していた。
私自身は当時高校生。ちょうど高校の卒業式で先輩を見送り、部活の準備をしている時だった。校庭でも感じる強い揺れと下水道が逆流したりプールの水がバシャバャと溢れてきたり、よく覚えている。
テレビでは、毎日被災地の様子や震災の情報などが流れていて、その状況を「知っている」と思っていた。
だが、被災地を訪れるとそれが「知っているつもり」だったことに気づいた。
震災から約8年が経ち、現地の方はだいぶ片付いて綺麗になった、と言っていたが、それでも小学生の跡地や交番がひっくり返っている様子を見ると、心がなんとも言えない気持ちになった。
それでも、現地の方は明るく楽しく私たちを迎え入れてくれた。
人間は強い、ということを強く感じた。
現地中学生との交流は、サッカーはもちろん、食事をともにしたり、最初は緊張していた関係も最後には笑ってふざけ合ったり、帰りのバスに乗り込むのが惜しくなるほど仲良くなった。
AFCの選手たちの良いところである。良い意味で中学生らしくないというか、純粋にその場を楽しめる心を持っている。他のチームと交流したり、過ごすことによって、普段当たり前のように取り組んでいることが身になっているということを、改めて確認することが出来た。
最後に、「ちがけせんプロジェクト」をきっかけに気仙沼の人、場所との関係をもてることをありがたく思う。
選手たちは被災地を巡り、交流し、なにをどう感じたか。
1人でも多くの人に共有し、少しでも力になれたらと思う。
そして、日頃普通にサッカーが出来ている環境に感謝し、日々を過ごしていきたい。
AFC茅ヶ崎
小熊優一
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