2017年11月9日木曜日

セレクションを終えた6年生たちへ

今年もあと2ヶ月を切りました。
気がつけばワールドカップイヤーを迎えます。

この時期になると、6年生の(サッカー)進路の動きに落ち着きが出てきます。
夏から秋にかけていわゆる"強豪"と呼ばれるクラブのセレクションが行われ、次の3年間も「サッカーを大事にしたい」という想いがある選手のステージが決まってきます。
そして決定に安堵している選手たちの影には「セレクションに落ちて」しまい、路頭に迷ったり、自信を失ったりしてしまう選手も存在します。

私は東京都町田市で4種(小学生)のサッカーチームの監督も務めさせてもらっています。
その中で必ずこの時期になると6年生の選手たちの進路についての話をする機会があります。

進路が決まった選手は残りの時間でどのように送り出すかを考えれば良いので非常にポジティブ。
しかし、未決定(セレクションに落ちた)選手は自分の立ち位置と向き合うことが非常に大変な作業となり、本来いるべき場所よりも自身を下にポジションをとってしまうこともしばしば。

ここが原石が埋もれるか埋もれないかの分岐点になります。

【セレクション=良い悪い、上手い下手が決まる(わかる)場所】

結果だけをみるとそんな空間に感じてしまいがち、だからこそ緊張も極限まで達してしまうと思います。
そして、自分の立ち位置を見失ってしまいがちになります。

しかし、それは大きな間違いです。
セレクションはあくまでそのクラブの育成ビジョンにハマり、3年間その環境で大きく成長できるかどうかを見極めているだけであり、"今"の技術や体格で決まるケースが多いと思います。
個々の成長過程にも当然差がありますし、たまたま"今"そこに当てはまらなかっただけということです。

ジュニアユース年代でのスタート地点が自分が目標としていたところよりも低いところにあるからダメなのか?
決してそんなことはありません。
しかし、そう思ってしまうことも重々理解できます。

強豪と言われるクラブのセレクションを受けよう(受けた)という意思がある時点で、勇気がある良い選手であることに変わりはありません。
だからこそ、自分の立ち位置の見極めを誤らないようにしなければなりません。

ここをどのように感じ、気づかせ、前を向かせてあげることができるかがポイントです。
さらにその先の受け皿となるクラブ(あるいは部活)の在り方が非常に重要な役割を担うと考えています。

プロ選手、トッププレーヤー、さらには社会に貢献・活躍する人材は必ずしもトップレベルのクラブだけから輩出されているわけではありません。

環境は確かに大事です。
しかし、トップレベルまで登っていく人たちは、自分の中に軸があり、環境に左右される人ではありません。
そういった意味でも環境は最重要事項ではなく、"今"いる場所で何をどのようにできるか?ということの方がよっぽど大事です。

想い、取り組み方、姿勢、そういったものが高いところにあれば自然と自身を高いところへ導くことができます。
この姿勢とそのために必要な知識や思考・技術を今の自分に合った場所で磨けばいいと思います。

"今"から前を走っている選手たちを追い抜けば良いだけの話です。

自分磨きをする、そんなアクションを起こしたくなるような空気をAFC茅ヶ崎では作っています。
チームの1,2番手が集うクラブを倒そうという楽しみと達成したときの痛快さを味わえる場所でもあります。

セレクションに落ちたからこそ、改めてセレクションに挑むとき以上の勇気を持って「自分の想い」と「自分の居場所」を見極めて"今"からダッシュして欲しいと思います。

伊藤 大介

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